能登半島地震のDPAT支援、「立ち上げ早かった」  野木事務局長【無料】

2024年3月29日 4:30

 災害派遣精神医療チーム(DPAT)事務局の野木渡事務局長は本紙の取材で、能登半島地震の被災地でのDPATの活動について、「本部の立ち上げも早く、多い時は連日20隊以上のDPATが支援に入ることができた」と述べた。全体の総括はできていないとして、個人的な見解を示した。

 DPAT事務局の深澤隆氏は、熊本地震など過去の災害と比べて、「しっかりと訓練を積んだDPAT先遣隊を、急性期から派遣することができた」とした。

 小原尚利氏は、過去の災害の経験も生かし、「迅速に指揮系統をつくることができた」と振り返った。

●DPATの統括者、「増員」を働きかけ

 野木氏は、DPATによる円滑な被災地支援のために、統括者が「一番重要」と説明した。DPATの統括者は、都道府県が任命した地元の精神科医が務める。DPAT隊の統括業務のほか、災害発生時にDPATの派遣要請を判断する役割も担う。

 統括者の課題にも言及。「地域の医療事情についてはよく分かっていても、災害については理解が不十分な場合もある」とした。災害対応の理解を深めるための取り組みが必要だとした。

 都道府県ごとに、統括者の人数にばらつきがあることも問題視した。統括者が少ない都道府県に対し、増員に向けた働きかけを続けていく姿勢を示した。

 深澤氏は統括者について、「都道府県の災害対策本部にいる、さまざまな災害支援医療チームと連携する役割も重要だ」と指摘した。
 

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