1.5次避難所で眼科支援  日本眼科医会、専用車両を活用【無料】

2024年1月23日 16:24

1.5次避難所を訪問した「ビジョンバン」(日本眼科医会提供)

 能登半島地震を受け、日本眼科医会は20、21日、金沢市内の1.5次避難所2カ所で、眼科医療支援車両「ビジョンバン」を活用して、避難者への眼科診療をした。合計82人が受診した。

 ビジョンバンは、眼科の診療室と同様に暗い環境で、検査もできる車両。2011年の東日本大震災を機に宮城県眼科医会が導入し、その後、日本眼科医会が引き継いだ。通常は健診などの活動に用いるが、災害発生時には救援活動に利用する。

 日本眼科医会の加藤圭一常任理事は「災害時でも、高いレベルの診療ができるのが利点」と話す。これまでも、18年の西日本豪雨や、19年の台風19号豪雨などの災害時に活用した。海外で起きた災害の救援活動に利用したケースもある。

●「点眼薬がなくなった」「定期検査ができていない」
 


車内での診療の様子(日本眼科医会提供)

 今回は、日本眼科医会、石川県眼科医会の医師ら、約10人が1.5次避難所を訪問。ビジョンバンを利用して、診療や目薬の処方、眼鏡・コンタクトレンズの支援をした。

 避難者からは、「点眼薬がなくなった」「定期検査ができていない」「老眼鏡(近用眼鏡)をなくした」「避難所内が乾燥していて眼乾燥感が強い」との訴えが多かったという。

 2つの避難所での活動に参加した石川県眼科医会の牛村繁会長は、「避難者は高齢者が多く、支援を喜んでいた。受診された方には、継続した眼科受診の重要性を説明してきた。日本眼科医会などの支援は大変ありがたい」と話した。

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