
能登半島地震の被害を受けた富山県選出の田畑裕明衆院議員(自民、衆院厚生労働委員長)は本紙の取材で、被災地の医療従事者へのケアの必要性を強調した。被災地の医療従事者は、地震発生直後から対応に当たっているため、疲弊していると説明。「ローテーションや一時的に休息できる仕組みを機能させなくてはならない」と述べた。
●医療のためにも「道路の改善を」
被災地の医療従事者は、自宅が被災しているケースもあるとし、「使命感だけで続くものではない」と懸念を示した。すでに、全国の医療従事者がローテーションで被災地支援に入っていることに言及。「この流れをしっかり強固なものにしながら、現地在住の医療従事者の体調変化に目配りをして、重層的な支援をしなくてはいけない」と訴えた。
医療従事者を含めた被災者全体について、避難所生活による体調悪化や災害関連死など、二次的な被害を防ぐために必要な支援を、政府に求めていく姿勢を示した。被災地への医療支援、医療提供体制の復旧に向けては、「まずは道路事情の改善が圧倒的に重要だ」と話した。
●断水・寒さ、「まだまだ厳しい状況」
田畑氏の地元の富山市も、被害を受けた。15日には石川県を訪問し、県庁で馳浩知事や古賀篤内閣府副大臣(前自民党厚生労働部会長)と、災害支援を巡って意見交換した。
避難所にOTC医薬品を供給している日本チェーンドラッグストア協会、石川県薬剤師会などの活動も視察した。取り組みを継続できるよう、厚生労働省や内閣府に働きかけていく姿勢だ。
被災地では、道路状況の悪化などで、「医薬品を含む必要不可欠な日用品を自由に運ぶことができない」と説明。断水している地域の多さや、厳しい寒さも課題に挙げ、「まだまだ大変厳しい状況だ」と述べた。