石川の高齢者施設を支援、DWAT2隊を派遣へ  全国老施協【無料】

2024年1月10日 18:51

 全国老人福祉施設協議会(全国老施協)は10日、能登半島地震で被災した高齢者施設に対し、全国老施協「災害派遣福祉チーム」(DWAT)を派遣することを決めた。石川県老人福祉施設協議会の要請を受け、第1陣として12日から2チームが現地で活動する。

 全国老施協のDWATは、自然災害の被災施設や、被災施設の入所者を受け入れた施設などに他施設がチームを派遣して運営を支援する仕組み。熊本地震の翌年の2017年に発足し、23年11月時点で32都道県と2政令市の1231人が登録する。介護・看護職員、生活相談員、ケアマネジャーら4~6人程度で編成し、最長5日程度活動するのが基本だ。全国老施協が、活動費を支給する。

 石川県老施協の支援要請を受け、全国老施協は9日から、石川県を除く、東海・北陸と関東ブロックの登録者の中から希望者を募った。10日には富山県の老施協が輪島市と白山市の2施設に各1チームを派遣することが決定し、12日から入所者と施設職員の支援に当たる。

●入所者の広域移送・受け入れも想定

 厚生労働省によると、石川県内の高齢者施設の被害状況(9日時点)は、停電17施設、断水128施設などとなっている。

 特に被害が大きい北部ではインフラの復旧に時間がかかる見通しのため、入所者を安全な場所に移送して受け入れる対応も今後必要になると想定。全国老施協が立ち上げた災害対策本部から7日付で幹部役員に対し、空きベッドの数や受け入れの可否を確認しておくよう依頼した。厚労省、石川県、石川県老施協と連携・調整しながら必要な支援策を準備する構えだ。

 全国老施協災害対策本部の里村浩副本部長(全国老施協常務理事)は、地震発生から1週間以上が経過し「救命、医療の次は福祉が必ず必要になる」と話している。

●義援金も受け付けへ

 社会福祉法人は寄付行為が認められていないが、会員からは「義援金を送りたい」という声が上がっているという。政府が能登半島地震を激甚災害に指定し、厚労省が特例通知を出すのを待って、全国老施協として受け付けを開始する。

 支援物資に関しては、仕分けなどの手間を考慮し個人からの提供は当面受け付けないとの石川県の方針を尊重している。高齢者施設に固有の物資の提供を石川県老施協から要請された場合は、会員に対して応援を求める。

 

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