満床状態の病院で診療支援  八代地域でJMAT「退院先が目詰まり」【無料】

2026年8月24日 16:45

医療機関の復旧状況などを把握し、必要な支援を行うJMAT調整八代地域本部

 熊本地震で被災した医療を元の状態に戻すため、八代地域では22日、JMAT(日本医師会災害医療チーム)が八代北部地域医療センター(一般病棟59床、療養病棟30床)の診療支援などに当たっていた。元々人手不足のところに、地震の影響で満床状態となっている同センターから、「細く長い」人的支援の要請を受けた。鹿児島県医師会から派遣された、JMAT調整八代地域本部統括チームの川上雅之医師は「退院先が目詰まりを起こしている」と指摘。JMATのきめ細かな支援が引き続き必要との認識を示す。

 発災から3週間以上が経過し、大きな被害を受けた八代地域も断水の解消とともに、診療を再開する医療機関が増えている。八代保健所に設置されたJMAT調整地域本部では、地域の医療機関の復旧状況を一覧表にまとめ随時更新しており、「一部診療を含め、ほぼ立ち上がっている状況」(川上氏)だ。

 ただ、「アンケートのような形で、状況を尋ねると『支援は必要ない』という答えが返ってくるが、とりわけ後継者がいない高齢医師などは、無理をしているのではないかという感触がある」と説明。「地元の医師から直接、状況を聞いた方が分かることもある」と述べ、「声のかけ方が難しく、まだ支援が必要だと感じる」との認識を示す。
 


八代北部地域医療センターで診療支援に当たるJMAT

●被災した医療機関で診療・在宅を支援

 現在は、被災した医療機関で診療や在宅の支援などを行っている。北部地域医療センターや、八代市医師会立病院などと連絡を取りながら、困りごとがないかどうかを確認しており、22日には北部地域医療センターに支援に入った。川上氏によると、同センターは満床状態で「細く長い支援がほしいとの要望を受けている」という。

 回復期病棟が少ないことや、介護の人手が不足していること、被災した家の片付けが済んでおらず、患者が自宅に帰れないことなど、さまざまな要因から「退院先が目詰まりを起こしている」と説明。入院でしのぐしかない状況だと話した。

●10年前と比べ「被災からの立ち上がりが早い」

 「10年前の熊本地震と比べると、被災からの立ち上がりが早い」との感触を示す川上氏。「発災直後から、さまざまな支援が入り、(迅速に復旧・復興する)災害レジリエンスを、国策として取り組んでいることを実感する」とも話す。その上で、今後は「量から質の支援へとシフトしつつも、寄り添いながら被災地を支えることが重要」との認識を示した。(藤田 昌吾)

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