医師会活動の視点を持った被災地支援が重要  福岡県医・横倉氏【無料】

2026年8月24日 16:27

JMATによる息の長い支援が必要との認識を示す横倉氏(福岡県医師会館)

 2026年熊本地震が発生した翌日の7月29日、先遣JMAT(日本医師会災害医療チーム)として最初に熊本入りした福岡県医師会の横倉義典常任理事は8月21日、本紙取材に応じ「医師会活動の視点を持って、どのような支援が必要かを考えながら被災地に入ることは、非常に重要だ」と指摘した。

 被災地の医療機関が徐々に診療を再開していることを踏まえ、今後は「JMATを大量投入して支援するフェーズから、全体を見渡し、地域医療の復旧に必要、または足りない部分をサポートするフェーズに変わった」とも説明。その上で、息の長い支援が必要との認識を示した。

 横倉氏は、30日に被災地入りした沖縄県医師会の出口宝理事と共に、日本医師会の松本吉郎会長からの任命を受け、現在、本部統括JMATを務めている。

 発災直後、最初に足を踏み入れた熊本市内の第一印象について、「皆さんが割と普通にされており、市内が大きな被害を受けた10年前の震災とのギャップが大きかったことに驚いた」と言及。県内の3次救急が集中する市内の被害が少なく、発災当日夜からDMAT(災害派遣医療チーム)がフル活動していたこともあり、状況はピークアウトしているようにも見えたと話した。

 ただ、宇城市・八代市へと南下するにつれ、被害の大きさや保健医療福祉調整地域本部が設置できていない状況などを目の当たりにし、深刻な事態との認識に至ったという。

 「今回の地震では、とりわけEMIS(広域災害・救急医療情報システム)が機能し、病院に関しては情報をしっかりと吸い上げることができた」との認識を示す一方、「大きな被害を受けた地域の医師会が、情報を集めるのは至難の業」と述べ、地域の診療所の被災状況などが見えてくるまでには時間がかかるとの認識を示した。

●被災した地域医療、「JMATが大きな力を発揮」

 横倉氏は、被災した地域医療を元に戻す上でJMATが大きな力を発揮すると指摘。「被災地支援に欠かせない医療・介護の連携や福祉との関わり、行政との調整などは、まさに普段から地元の医師会活動で取り組んでいること。そうした取り組みを理解されている医師が被災地に入ると、復興に向けた道筋が見えやすいと思う」との考えを示す。

 被災地の医療機関が、徐々に診療を再開していることから「地域の人を、地元の医療機関に戻す方向にシフトしている」と説明。一方で、避難所からかかりつけの診療所まで通えない人や、母屋が被災し納屋などに身を寄せている被災者もいるとしながら、そうした地域住民をサポートするため引き続きJMAT活動が必要との認識を示した。「被災した医師や医療スタッフの多くは、発災後も休むことなく地域住民の診療に当たっている」とも述べ、被災地の医師・医療スタッフの休息のための支援も重要だと説明した。(藤田 昌吾)

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