能登半島地震への支援について、日本赤十字社の渡部洋一医療事業推進本部長は11日、本紙の取材で、道路状況が悪い地域では、避難者の健康状況などのスクリーニングが進んでいないと懸念を示した。救護スタッフは、避難所の近くでテント宿泊せざるを得ない状況だとし、「過酷な環境下での活動になっている」と述べた。
日赤は10日午前10時時点で、延べ数で、救護班(DMAT含む)を55班、災害医療コーディネートチームを19班、被災地に派遣した。救護班は、毎日17班が活動できるように、体制を増強したとしている。
救援物資として、毛布を1万5000枚以上、安眠セットを900セット以上、配布した。
●避難所近くの「テント宿泊」、寒さが追い打ち
渡部氏は、道路状況の悪化のため、特に石川県の輪島市・珠洲市の避難所に向かうには、拠点施設から数時間を要すると説明。「避難所までの移動に時間を要しており、避難者の健康状況などのスクリーニングが進んでいないとの報告を受けている」とした。「避難所のスクリーニングを推進し、医療を届けることが必要だ」と強調した。
ただ、悪路のため、「救護スタッフは避難所の近くでテント宿泊にならざるを得ない」としている。現地からの報告によると、寒さが追い打ちをかけ、テント宿泊は2泊が限界だという。