能登半島地震を受け、厚生労働省が4日に開いた緊急連絡会議には、日本病院会の相澤孝夫会長、全日本病院協会の安藤高夫副会長、日本医療法人協会の加納繁照会長、日本精神科病院協会の山崎學会長も出席した。会議後に取材すると、支援チームを現地に派遣しても、避難所への陸路確保が難しいとの声が上がった。
●被災地の会員病院、機能を確保 日病・相澤会長
日病の相澤会長は、石川県の会員病院である県立中央病院(金沢市)、恵寿総合病院(七尾市)、公立能登総合病院(同)に連絡をとり、病院機能が確保されていることを確認したと説明。自身が経営する長野県の相澤病院は、DMAT(災害派遣医療チーム)を派遣しているとした。
●病院職員に「疲弊」 全日病・安藤副会長
全日病の安藤副会長は、AMAT(全日本病院災害時医療支援活動班)の活動に言及。現地からの報告によると、被災地の避難所に向かおうとしても、陸路の確保が難しく、支援できない状況もあるとした。
AMATの一部は、石川の市立輪島病院(輪島市)に向かっていると説明。被災後の対応で病院職員の疲弊が進んでいるとして、懸念を示した。
●ニーズは「避難所支援」に 医法協・加納会長
医法協の加納会長も、AMATの活動状況に言及。2日以降、日本医科大病院AMATが恵寿総合病院、南多摩病院AMATが富山西総合病院(富山市)を拠点として、活動しているとした。
被災地では、病院支援から避難所支援にニーズが変わりつつあるとの認識を示した。日本医科大病院AMATの2次隊などが、避難所の医療支援を展開している状況だという。
●不眠・うつ病に注意 日精協・山崎会長
日精協の山崎会長は、1日に災害対策本部を立ち上げたと説明。会員病院では、3施設でインフラの障害が起きたが、大きな被害は免れていると話した。
2日に被災地からDPAT(災害派遣精神医療チーム)の出動要請を受け、その後、派遣チームの数は増えていると説明した。
今後、避難した被災者については、不眠、うつ病、認知症の進行などに気を付ける必要があると指摘した。