アリーナの外へ、続く支援活動  熊本地震・現地発(下)【無料】

2026年8月11日 12:00

八代市で2番目の規模の避難所になっている中学校

 熊本県八代市の避難所「八代トヨオカ地健アリーナ」で活動するTMAT(徳洲会医療救援隊)は、第2陣が現地入りした5日から、本格的に他の避難所の支援にも動き出した。

 5日午後、第1陣の隊長で医師の合田祥悟氏(札幌東徳洲会病院)と、薬剤師の柳川拓哉氏(四街道徳洲会病院)。第2陣の医師、當麻俊彦氏(八尾徳洲会総合病院)、看護師のリーダー久保健一氏(湘南大磯病院)、薬剤師の成田拓弥氏(札幌東徳洲会病院)が、周辺避難所へ向かった。情報の収集と共有、今後の支援体制の相談などが目的だ。

 まず訪れたのは「八代市立第2中学校」。八代市で2番目に大きい避難所だ。他団体の災害支援チームが来てはいたが、医療対応が手薄なことが分かった。避難者の邪魔にならない場所で支援団体や事務担当と立ち話をする。TMATがこの避難所を翌日から巡回することと、「医療相談窓口」を設置することを、あっという間に決めた。この間、30分足らず。驚異的なスピード感だ。

 「アリーナが落ち着いてきたので」と合田氏。「食事の問題、段ボールベッドの設置、ゾーニング(避難所のエリア区分)。これらが解決してきたので巡回できる」と話す。

 障害福祉サービス事業所の「八代市立希望の里たいよう」も訪問。福祉避難所として機能しており、詰めていたDWAT(災害派遣福祉チーム)の隊員と情報交換をした。
 


アリーナに設置した感染隔離部屋

●一つ解決すれば、また

 発災1週間の混乱を乗り越え、八代市最大の避難所であるアリーナの環境は整いつつある。救護室を訪れる患者も、減少傾向だ。ただ、避難所生活が長引くほど生じる感染症対応や、生活環境の変化に伴う体調不良の問題は今後も残るだろう。アリーナを出れば新たな問題も見つかる。地域医療の復旧状況を見ながら、継続的な医療・生活支援が必要になるだろう。

 感染症については、5日時点でアリーナに4床の感染隔離部屋を整えた。最大で8人程度に対応可能で、今後重要な役割を果たしそうだ。
 


第1陣の隊長を務めた医師の合田氏。ミーティングを進行している様子

 生活環境の支援は、合田氏がTMATの重要事項に挙げる。「医療団体という認識で捉えられるが、医療だけをやっていれば良いとは決して思っていない。必要な環境調整を行い、病気にならないようにすること。例えば段ボールベッドを入れることで少し腰痛を軽減する、ADLが下がるのを予防する。基本的な生活ができるようにして、次のステップに向かう。そうした活動が大切だと思っている」と話す。

 その上で「まだまだこれからも、一つ解決したら、また違う問題が起こる。被災者の方々のために、やれることはどんなことでもやる覚悟が大事。そうした気持ちを持ちながら活動を続けてもらえたらと思う」と、第2陣にエールを送った。(この連載は田中 士郎が担当しました)

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