小児患者のジェット搬送、再びクラファン実施  目標1億円、10月6日まで【無料】

2024年7月9日 21:46

クラファンの概要を説明した福嶌理事長=9日、東京都内

 日本重症患者ジェット機搬送ネットワーク(JCCN)は9日、小児重症患者ジェット機搬送試験運航事業の継続に向け、資金確保のためのクラウドファンディングを再び始めた。目標金額は1億円。10月6日まで募る。

 この事業では、県営名古屋空港を拠点として、全国の空港にドクタージェットを飛ばし、小児を中心とした重症患者を、高度医療を提供できる医療施設に運んでいる。4月にスタートし、計5例(小児4例、成人1例)を搬送した実績がある。

 会見した福嶌教偉理事長は、ドクタージェットの利点を改めて説明。▽都道府県をまたいだ移動▽高重量の医療機器搬送▽夜間・悪天候の搬送▽搬送中の高度医療提供―が可能だとした。

 これまでの5例は全て、「搬送元」「搬送先」の医療機関が、互いの事情を知っている関係だったと説明。今後は、搬送先の事情を知らないまま、医療機関が搬送要請するケースも想定できるとした。

●年間で「6000万~7000万円は必要」

 JCCNは昨年度もクラファンを行い、1537万1000円を集めた。福嶌氏は、この資金は5例でほぼ使いきったと説明した。

 年間で30~40例を見込む中、最低でも6000万~7000万円は必要になる、との見通しを示した。クラファン以外で集まった寄付金も約500万円あるが、第2弾のクラファンを実施しないと、「事業が継続できなくなる」と訴えた。

●費用は国が負担すべき

 JCCNはドクタージェットについて、年間のニーズや、利用者の予後などを調べている。今年度末に結果をまとめ、政府が来年策定する「骨太の方針」への反映を目指している。

 福嶌氏は、国策としてのドクタージェット運用を、政府や与党に求めてきた経緯を説明。しかし、財務省は「自治体に負担を求める必要がある」との姿勢だったという。

 福嶌氏は「地域で高度医療ができないから、その地域で(ドクタージェットの費用を)負担する、という話は疑問」だとした。

 「どこに住んでも、どこに生まれても、安全なので子どもを産んでください、と(政府は)言っているのだから、重症になった患者を運ぶのは国の仕事にするべきだ」と訴えた。

 クラファンの詳細は、以下のホームページを参照(https://readyfor.jp/projects/JCCN-doctor-JET2)。

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