JMAT派遣、調整体制を集約  能登地震で日医【無料】

2024年3月27日 22:40

JMATの派遣調整について説明した細川常任理事=27日、日医会館

 日本医師会の細川秀一常任理事は27日の会見で、能登半島地震の被災地に派遣しているJMAT(日医災害医療チーム)の派遣調整支部を、段階的に集約していると説明した。

 JMATの派遣に当たって、石川県庁に置いた派遣調整本部のほか、3カ所の調整支部を設置していた。しかし、県庁内の「金沢以南調整支部」と、七尾市に設置していた「能登中部調整支部」は、すでに調整本部に集約した。輪島市の「能登北部調整支部」も今月中に集約する。

 細川氏は「被災地の状況はだいぶ落ち着いてきている」としたが、「JMAT派遣を終了するわけではない」と強調した。現地診療所の支援や、高齢者施設・避難所の健康管理などに、今後も取り組む考えを示した。

 4月以降は、石川県医師会が編成するチームも含めて、5隊体制に移行していくとした。

●「多くの教訓残した」

 これまでの支援を振り返り、細川氏は「多くの教訓を残した」と話した。▽陸路のアクセス困難▽インターネット環境の途絶▽長期の断水▽宿泊先の確保困難―などに言及した。

 「日本全体でいついかなる災害が発生しても、対応できる準備が必要だ」とした。例えば、災害時に医療提供体制を確保するための船舶について、自衛隊やDMAT(災害派遣医療チーム)だけでなく、JMATの参加者らも宿泊施設として利用できるようにすべきだとした。
 


支援金に感謝の意を示した松本会長=27日、日医会館

●支援金5億円超、「早期復興に活用を」  松本会長

 松本吉郎会長は、被災地支援のために日医が募った支援金が、最終的に5億6470万6518円になったとして、感謝の意を示した。被災地の県医師会に送る。

 松本会長は「有効に活用されて、一刻も早く、被災地の地域医療が復興されることを祈る」と語った。

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