医療団体の被災地支援、「適切なロードマップを」  日医・細川氏【無料】

2024年1月31日 21:24

JMATの状況を説明した細川常任理事=31日、日医会館

 日本医師会の細川秀一常任理事は31日の会見で、能登半島地震の被災地へのJMAT(日医災害医療チーム)の派遣状況などを説明した。現地では、DMAT(災害派遣医療チーム)や日本赤十字社の救護班などとうまく連携しているとの認識を示した。各団体の活動規模が変化していく中で、「適切なロードマップが重要」だとした。

●JMAT、延べ3490人を派遣

 JMAT調整本部は、DMATや日赤救護班など各種団体の本部と同じく、石川県庁の保健医療福祉調整本部内に設置している。このため、細川氏は「適宜、現地での連携・コミュニケーションが大変うまく取れている」と話した。

 「いずれ、それぞれの活動範囲や派遣規模は変わっていくが、共に手を取り合って被災者の健康を守るためにも、適切なロードマップを示し、高齢者施設を含め円滑な引き継ぎ体制を築くことが重要」と指摘した。

 JMATの派遣人数は、1月30日までに延べ3490人に達した。30日には、引き継ぎ班も含めて、40チームが活動した。

 今後は可能な限り、同じ都道府県医師会が、同じ地域の診療所や避難所に交代でチームを派遣する体制に移行する。県内各地に毎日25チームを派遣する予定で、都道府県医師会に協力を求めた。

 被害が大きい能登半島北部の診療所の支援については、道路状況などが改善されるまでは、通常チームより装備を強化した「重装JMAT」の派遣を続けていく方針だ。重装JMATは、病院の医療従事者を中心に構成されている。細川氏は「被災地の診療所や医師会のことを本当に配慮してくれる」と感謝の意を示した。
 


眼科医療支援について説明した笹本常任理事=31日、日医会館

●避難所で眼科支援も

 笹本洋一常任理事は、日本眼科医会と県眼科医会による支援活動を紹介した。1月20~21日、金沢市の1.5次避難所2カ所で、眼科医療支援車両「ビジョンバン」を利用して、被災者支援に当たった。

 使用中の点眼薬がなくなった人、老眼鏡を自宅に置いてきた人、避難所で目の乾燥に悩む人など82人を診察。点眼薬やメガネ、コンタクトレンズなどを提供した。

 笹本氏は「日医としても、医療・介護・福祉団体とも連携を図りながら、息の長い被災地支援を継続していく」と語った。

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