被災地で医療者が疲弊  DPAT・小原氏、「支援者への支援」を【無料】

2024年1月19日 4:30

福岡県DPATとして支援活動に当たった小原氏

 福岡県DPAT(災害派遣精神医療チーム)として、能登半島地震の被災地で支援活動に当たった南ヶ丘病院(北九州市)の小原尚利院長は本紙の取材で、被災しながらも災害対応を続けている医療従事者が「とても疲弊している」と述べた。医療従事者を含めて、被災者への支援者を支援する重要性を指摘。今後、時間の経過に伴い、「支援者への支援のニーズがさらに高まる可能性もある」とした。

 小原氏は、日本精神科病院協会の災害部会長を務める。南ヶ丘病院の看護師、薬剤師と共に3人で、10日に金沢市に到着。11日午後2時過ぎに石川県輪島市に入り、14日まで支援活動をした。輪島市内で活動するDPATの指揮所の立ち上げ、運営を担った。避難所や福祉・高齢者施設、医療へのアクセスが困難になった集落を訪問し、医療支援などに当たった。

●介入が必要な人、「把握を」

 小原氏は、現地で診察した医療従事者のケースを紹介した。その医療従事者は、避難所生活をしながら、震災発生直後から働き続けた。子どもを避難所に残して働く不安、自分が働かなければ人が亡くなるかもしれないという恐怖、避難所でも医療従事者として頼られる重圧から、極度に疲弊し、不眠や強い不安感が生じていたという。

 小原氏は「発災から1~2週間目は、支援者への支援のニーズが高まることをまざまざと実感した」と話す。「医療従事者は頑張り過ぎてしまう場合が多い」とし、被災地の行政や医療・福祉関係者と連携し、医療的な介入が必要な人を把握することが重要だとした。

●避難所での不眠・イライラ

 避難所の状況については、「余震も続いているので、そのたびに発災を思い出すような状況」だと指摘。避難所ではプライバシーを十分確保することが難しいため、「不眠になったり、イライラしたり、悲しいことを思っていないのに涙が出たりする」被災者もいるという。

 避難所の被災者を診察した際には、「不安になったり、イライラしたりすることは正常な反応」と伝えた。「家族など信頼できる人と、心の状態について、相談し合うようにすることがまずは必要ではないか」と語った。

 小原氏は被災地の現状について、「地震発生から1週間以上経過した時点でも、急性期の状況が継続していた」と説明。特に、半島北部の珠洲市、輪島市、能登町、穴水町は、以前から医療資源が乏しく、道路や上下水道などが復旧していないため、支援が届きづらい状況にあるとした。

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