能登地震、MP「5台体制」継続へ調整  日薬・山田常務理事【無料】

2024年1月18日 11:49

日薬・山田常務理事

 日本薬剤師会で災害対策を担う山田卓郎常務理事は17日の会見で、能登半島地震への対応を説明した。モバイルファーマシー(MP)の出動について、「5台体制」を継続できるよう石川県から相談を受け、体制整備に取り組んでいると述べた。状況に応じた切れ目のない支援が可能になるよう、同県羽咋市の拠点にMPを留め置くことも検討している。

 MPは県から石川県薬に出動要請があり、日薬を通じて所有する各県薬に協力を依頼。これまで、岐阜県薬、三重県薬、宮城県薬、和歌山県薬、横浜市薬、広島県薬、静岡県薬のMPが活動している。17日時点では5台が稼働し、広島県薬が珠洲地区、静岡県薬が輪島地区、宮城県薬が門前地区、和歌山県薬が穴水地区、横浜市薬が能登町でそれぞれ活動を続けている。

 山田氏は全国各地からのMPの応援について、所有する自県から運転責任者を1人以上含めることや、随行車両を付けるよう求め、調整がついたMPから順次投入している状況だと説明。降雪で道路の被害状況の把握が難しくなっていることなどから、支援者の安全を考慮した上で調整を続けていると述べた。

 山田氏は6日と9~13日に石川県薬対策本部に入った。被災状況について、発災から2週間が経過したものの、依然として小規模の避難所が点在し、「2次避難」は進んでいないと指摘。県からはMP「5台体制」の継続的な確保を求められ「なんとか、つながなければならない」状況だと話した。MPは支援を終えると各地に戻ることになるが、再出動となった場合、遠方からの投入では負担も大きくなる。そこで今後の状況に応じて迅速な出動が可能になるよう、同県羽咋市の国立能登青少年交流の家に設置した拠点に留め置くことも検討するとした。

●MPは臨時調剤所設置までの「つなぎ」役

 MPは東日本大震災の経験から宮城県薬が開発した。宮城県薬の会長である山田氏は、被災地では仮設診療所に応じて固定の調剤所を設置することが「活動の幅が広がり、最も効率が良い」と指摘し、MPはその設置までの「つなぎ」の位置付けだと言及。現段階では仮設の診療所や調剤所の設置まで進んでいないことから、MPでの支援を継続する重要性を述べた。【PHARMACY NEWSBREAK】

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