
介護団体が熊本地震で被災した高齢者施設への支援を進めている。現場の職員確保がままならない状況となる中、全国老人福祉施設協議会(老施協)は特別養護老人ホーム4施設に介護や看護の専門職チームを派遣した。全国老人保健施設協会(全老健)は老健施設1カ所に10日から専門職を送る。熊本県内では900カ所を超える高齢者施設で建物被害や断水などが確認されており、命と健康を守るため長期的な支援を続ける。
厚生労働省によると、これまでに県内の高齢者施設946カ所から被害報告が寄せられ、解消されたのは29施設のみ。被災状況別で見ると、7日午前8時時点で建物被害795施設、断水317施設、停電2施設、ガス停止111施設となっている。
●特養にDWAT 老施協「長丁場になる」
老施協は2日から介護、看護、ケアマネジャーなど専門職で構成するDWAT(災害派遣福祉チーム)の派遣を始めた。多数の入居者が熱中症で搬送された「やすらぎ荘」(氷川町)は3~8日に7人、天井崩落など大規模な被害があった「しらぬい荘」(宇城市)は5日以降、20人が支援に入る計画だ。これまでに県内の特養5施設から人的支援の要請があった。うち4施設はDWATが既に入り、残る1施設は8日に派遣する。
県老施協が中心となって対応し、県内の施設で勤務している職員が自家用車で派遣先へ行き、利用者のケアや体調確認を行っている。九州の各県老施協とも連携している。全国老施協災害対策本部副本部長の里村浩常務理事は「人的支援は長丁場になる」と先を見据えた。
●老健施設にボランティア 全老健「息の長い支援を」
全老健は、職員が地震で負傷した老健施設「八祥苑」(氷川町)への応援派遣を行う。大分の施設で働く職員1人が10日から支援に入るのを皮切りに各地から応援に駆け付ける。熊本を含む近隣8県の会員施設や全国の会員施設のボランティア登録者に協力を呼びかけている。八祥苑は介護5人、看護3人の補充を要請しており、1カ月以上の人的支援を受ける見通し。発災翌日に現地入りした、業務第二課長の中里和敏さんは「職員自身も被災者で無理をして働いている。息の長い支援が必要だ」と訴えた。
全老健によると、県内の会員87施設のうち、震度6弱以上を観測した地域の31施設が被災した。建物被害、停電、断水などが確認され、命に関わる大きな人的被害はなかった。全老健の職員2人が常に現地で活動する体制としており、九州の各県支部と連携しながら物資支援や情報収集に当たっている。7日には被災施設に支援金を送ることを決めた。全国の会員施設に協力を求める。
日本慢性期医療協会は、県内の会員33病院で、建物の大規模損壊や入院が必要な人的被害がなく、診療を継続していることを確認した。介護医療院については、病院併設の15施設と単独型1施設が全て運営している。(山崎 雄平、田部井 健造)








