3病院が被災、停電・断水も  青森地震、診療所は甚大被害なし【無料】

2025年12月9日 21:07

 8日夜に発生した青森県東方沖を震源とする地震で、同県内の計3病院で停電や断水などの被害が発生した。厚生労働省が発表した。このうち1病院の停電は9日正午までに復旧した。他方、青森県医師会が災害対策本部を設置するなど、北海道・東北地区の各医師会も、会員施設の被害状況の確認に追われた。いずれも診療所で診療に支障を来すような甚大な被害は報告されていない。

 被害が出た病院は、八戸市内の2施設とむつ市内の1施設。停電したのは八戸市内の1施設で、他の2施設は断水や水道管の破損による水漏れが発生した。

 9日正午時点の厚労省のまとめによると、青森県では同日中にDMAT(災害派遣医療チーム)調整本部を設置し、県内の7チームを派遣している。DPAT(災害派遣精神医療チーム)は、青森と北海道それぞれで調整本部が設置された。

 人工呼吸器使用者の被害は報告がない。厚労省は在宅で人工呼吸器を使用している難病患者に関する対応について、都道府県などに注意喚起を行った。人工透析患者の被害報告も上がっていない。こちらについても、都道府県に対し透析医療の提供が困難になる事態に対応できるよう注意を促している。

 高齢者関係施設では、青森県むつ市とおいらせ町の計2施設で建物の被害があった。障害者関係施設では八戸市の1施設で停電があったが、すでに復旧している。

 厚労省は以下のページで被災状況を発表している。(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66914.html

●JMAT派遣要請はせず

 青森県医は9日午前0時40分ごろ、医師会内に災害対策本部を設置した。午後4時半時点で9割程度の会員施設における状況を確認。7割程度はダメージがなく、2割程度で外壁にひびが入ったり窓ガラスが割れたりしたものの、診療に支障を来すほどの被害はなかった。日本医師会や東北6県医師会で設置する「日本医師会JMAT東北」に対し、JMAT(日医災害医療チーム)の派遣要請はしないという。

 北海道医師会や岩手県医師会でも、棚から物が落ちたなどの報告はあったものの、診療に影響が出るような被害はなかった。

●日医、「後発地震注意情報」受け警戒継続

 日医は今回の地震に関係する医師会から情報を収集。また、内閣府と気象庁から「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されたことから、松本吉郎会長を中心に引き続き警戒に当たる。日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域市町村を有する北海道、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉の8道県医師会に対しても、引き続き警戒を要請した。(藤林 全晴、藤田 昌吾)
 

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