日本医師会初代会長の北里柴三郎を肖像画とした新千円札の発行が、3日に始まった。この日会見した日医の松本吉郎現会長は、「発行の日を迎え大変喜ばしい」と語った。
新紙幣の肖像画への採用を受け、日医は北里のブロンズ像を制作。その像の前で、松本会長は会見に臨んだ。
「野口英世先生に続き、2代にわたって医師が(千円札の)肖像画となったことは、医療が社会に欠かせないという確証だ。医師の社会に果たす責任の重さを改めて感じる」と話した。
予防医学の確立に向けた北里の強い思いにも言及。「治療を中心とした医療のみならず、予防・健康づくりにも力点を置き、人生100年時代という健康長寿社会の実現に尽力したい」と意欲を示した。
千円札は、紙幣の中で最も流通量が多いと指摘。「日医としても、国民に親しまれ信頼される医師会として、国民の生命と健康を守っていく」と述べた。
●9月に記念シンポ 新興感染症をテーマに
日医は、新千円札の発行を記念し、新興感染症をテーマとしたシンポジウムを9月に開くと発表した。
松本会長は「北里先生の功績を振り返り、国民に日医が果たしている役割を知っていただけるよう企画した」と説明。「いつ起きるか分からない新興感染症に備え、何が必要かを国民とともに考えたい」と述べた。
日本銀行発券局はこの日、北里と関係の深い日医に対し、「AA000007AA」の新千円札を贈った。