能登半島地震の被災地の医薬品不足を少しでも解消しようと地元の辰巳化学(本社=金沢市)が1日、石川県薬剤師会に優先供給できる43成分71品目のリストを提供した。卸との調整ができ次第優先供給を開始する。
同日、同社の亀田修常務取締役が石川県薬を訪れ中森慶滋会長にリストを手渡した。
●東和薬品に続き
中森会長が1月18日に被災地での医薬品不足の解消を武見敬三厚生労働相に直談判したのを受け、すでに東和薬品が19日に23品目39品目(うち38品目が限定出荷品)のリストを提供しており、これに続いて地元の製薬企業が動いた。
辰巳化学は被災地でニーズが高いと考えられる71品目を選んだ。このうち限定出荷品は8品目。
●抗菌薬・気管支喘息薬・鎮痛薬など
優先供給するのは限定出荷品の抗菌薬クラリスロマイシン錠200mgや通常出荷品の気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤モンテルカスト錠5mg、鎮痛・抗炎症・解熱剤ロキソプロフェンNa錠60mgなど。
リストには優先供給できる在庫量が錠数単位で記されている。最も多い品目では約1100万錠を供給できる。優先的に供給することのできる在庫を計算して記載した。
●「地元企業として少しでも役に立てれば」
同社はじほうの取材に「地元の会社として少しでも被災している人の役に立てればと思いリストを用意した」と述べた。
中森会長も取材に「非常にありがたい申し出で感謝している」とコメントした。【日刊薬業】